2006年11月11日

オーロラ/川井郁子

日本の人気女性ヴァイオリニストといえば、高嶋ちさ子さん、奥村愛さんなど、たくさんいますが、今一番私の心に響いてくるのは川井郁子さんのヴァイオリンです。

楽器というのは「声」のようなもので、同じヴァイオリンであってもその音色は十人十色。
同じ曲であっても演奏する人によってまったく音色が違ってきます。

高嶋ちさ子さんのヴァイオリンが澄み渡るような音色なら、川井郁子さんのヴァイオリンは妖艶そのもの。
時に甘く、時に激しく、根底にある音の揺らぎや、川井さん独特のポルタメント(音を切らずに、なめらかに次の音階へ移動させる奏法)は聴いていてため息がでてきます。

その川井さんのアルバムから「オーロラ」をご紹介します。
前回紹介した「インスティンクト」に比べると、奏法やアレンジが若干クラシカルになっている気もしますが、内容はどちらも互角。どっちも素晴らしいです。

一番のオススメは10曲目の「ヴァイオリン・ミューズ・ドラマティック」。
この曲を聴くためだけに買っても良いくらいの凄い1曲。
まず、バッハの「シャコンヌ」が始まったかと思うと、すぐさまヴィターリの「シャコンヌ」に変わります。これがまた、オルガンも多用した、これまでに聴いた事のないような荘厳で感動的なヴィターリなのです。
さらに、伴奏がラヴェルのボレロ!後半に行くにしたがって音楽は雄大な哀しみのを描きだし、聴く者を圧倒してきます。
ラストはヴィターリの「シャコンヌ」の冒頭が、ボレロのリズムに乗り、幾度となく繰り返され、バッハの「シャコンヌ」も戻ってきて終結するのですが、この辺りのヴァイオリンの悲壮感溢れる訴えは、聴いていて圧巻でした。

実は、ヴィターリの「シャコンヌ」は私の大好きなクラシックの曲なのです。
正統派な演奏しか聴いた事がなかったので、この川井郁子さんの演奏は、かなり衝撃を受けました。
これは、聴く価値ありです。

もちろん他の曲も良く、「ロシアより愛をこめて」なんて、これぞ川井郁子っていう、あま〜い演奏で最高です。一発でノックアウトです。
今、部屋にこの曲が流れているのですが、ついついブログを書く手を止めて聴き入ってしまいます。

これは、大満足のアルバムですね。

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